おなじみエリックが、突然別れの挨拶にやってきたのは、三週間ほど前のことです。
もう寒かったのに、朝、誰もいない海で泳ぎ、ランチをみんなで食べて、そのあとペタンクをやって・・・こうして手を振って去っていきました。ヨーロッパには五年は戻ってこないそうです。
こんな素敵なテーブルを作れたのは、彼だけです。
デザートのときは、明かりを変えていました。
いろいろおいしいものを作ってくれたけれど、私のお気に入りは、春先、ピースが出たときにフランス人が食べるという、このお料理。ベーコンの油がピースに絡んで、それはおいしい一品でした。
この田舎道をよく通いました。
森を抜けると、アルファローバの木の陰に黄色の壁が見えてきます。
いつも子供のようにじゃれあっていた二人です。一番寂しがっているのは、もちろん、この人・・・イザベルです。
そして・・・つい先日、イザベルが孫に電話をかけると・・・スカイプに映し出されたのは、孫を抱いたエリック!
「ママ・・・彼、帰りのチケット持ってないけど、いつまでいるつもりかな・・・」と息子が心配していたそうで・・・しかし、2日ほどして、どこに行くともいわず、去っていったそうです。
さて、フランスのフーテンの寅さんは、今度はどこに現れるのでしょう・・・日本かも。