成田を発ってどれくらいがたったのでしょうか。ふと窓の外に目をやると、雲の合間から小さな集落が見えました。時間的に、ヨーロッパのどこかでしょう。なぜか、あぁ、みんな一生懸命生きているのだなぁ・・・と、いじらしいような・・・感慨深いものがありました。
伊豆の家に戻ると、待っていてくれた人がいました。
小沢てい子さんです。80をだいぶ過ぎたはずですが、一人暮らしです。息子さんもお嫁さんも部屋を準備してくれているのに、まだまだ・・・と、がんばっています。お花がたくさんの可愛らしい畑で野菜を作っていて、何でも好きなだけ持っていってね、と、言ってくれます。お言葉に甘え、夜中に食べ物がなくなると、懐中電灯を持って、大根を引き抜きにいったりします。
写真を撮らせてと言うと「あら、イヤだわ、こんな格好で・・・」と言いながらも笑顔を見せてくれました。とてもおしゃれなのです。帰ると、いつもアンコを煮てくれます。母が亡くなった時「かわいそうねぇ・・・」と、抱いてくれました。
りさ子ちゃんとスイス人のロックです。毎年、四人で伊豆近辺のの一泊旅行に行きます。去年は四人で露天風呂に入りました。今年は料理の美味しい民宿に行きました。食いしん坊なので、帰るたびに新しいお店を発見してくれています。
この端正な顔が邪魔をして、宇佐美で開いたレストランはうまく行きませんでした。ハンサムすぎて、お客さんが恥ずかしがったのです。いまは伊東の高級ホテルで人気シェフとして働いています。納豆も梅干も大好きな文字通り、ヘンな外人です。
キャンディーです・・・近づきすぎ。
時々、脱走しては我が家に上がりこみます。パパさんが怖くて帰れないので送っていきます。
戻った翌朝には、必ず現れる野生?の猫。私たちは「猫ちゃん」と呼んでいますが、ご近所ではそれぞれ名前が違うらしく・・・ちゃんと使い分けています。
食堂の窓のそばにメジロが来ます。メジロは何年くらい生きるのでしょうか?
待っていてくれる人や生きものがいるのは、なんと幸せなことでしょうか。ありがとうございます。