朝からひたすらキャベツを刻みました。
イザヘルが発つのです。別れのあいさつに顔を見せてくれることになっていました。
しかし・・・来たのはベネディクトだけでした・・・庭のブドウとザクロを持ってきてくれました。
そして、この子も・・・パリにいるベネのお母さんが危篤となり、しばらく留守にします。アドックを預かることになったのです。
イザベルは出発を一日延ばし、べネをセビージャの空港に送ってからフランスに向かうことになったのです。
しかし・・・「とても、ここまで来れる状態じゃないわ・・・」と、べネ。
昨夜からイザベルは「ミ・・・」と、言いかけては泣きだし、最後までミツコ・・・と、言えないそうです。それを聞いて、私も泣いてしまいました。
びっくりパーティーのために届けた、テラスの花です。
日曜日の夕方、港で一杯飲みましたが・・・私たちは、遠くに席をとり、あまり顔も会わせないようにしていました・・・なぜだかわからないけれど・・・まるで喧嘩でもしているみたいに・・・。
月が上がったころ、黙って抱き合いました。イザベルの顔はくしゃくしゃに崩れ・・・そっけなく別れました。
午後1:23分「今、発ちます・・・ザザ(イザベル)、べネ(ベネディクト)」と、携帯にメールが入りました。
返事は出しませんでした。
イザベルは、車一杯に、このブーゲンビリアを摘んで旅立ちました。
この後も、ひたすらキャベツを刻み続けました。