国境を少し超えたスペインのウェルバ近郊のグスマン村・・・馬づれのおじさんは、まるで犬の散歩でもするように、ごく当たり前に街を散歩しているのでした。
世間話も、馬乗り・・・
セビージャに住むテレサとホセの生まれ故郷です。強く誘われ、恐る恐る出かけたのでした。
人口4000人の小さな村に馬が500頭もいるそうです。
美しい民族衣装をまとうのは、だいたいお年寄りが多いようでした。女性は優雅に横座り・・・これはかなりのテクニックが必要なのではないかと思いましたが、みなやすやすと楽しそうです。
きれいな人も・・・
それほどでもない人も・・・
赤ん坊も・・・
若すぎるカップルも・・・
みな笑っているのです・・・
幸福な村の幸福な人々と馬の美しい祭りでした。
体調のすぐれない私を気遣って、テレサとホセは、この街に来るたびに見舞ってくれたり、外に連れ出そうと誘ってくれていました。
実は、二年前に定年退職したテレサは、ひどい鬱病と腰痛に悩まされ、人ごとではなかったようです。
テレサは、私より少し年下と思いますが、とにかく典型的なラテン系「母親体質」・・・五分おきに抱きしめて「あぁ・・・かわいそうに・・・」というのです。
十時間くらい、立ちっぱなし・・・気がついたのは、スペイン人は座りません。パーでもカフェでも、椅子のないところが多いのです。私は11時にはついにギブアップ、寝てしまいましたが、彼らはそれから街に繰り出し、歌って踊って、家に戻ったのは、夜中の二時でした・・・恐るべし、スペイン人。
ベットルームのある通りを、明け方の五時くらいまで、馬が蹄を鳴らして通り過ぎました。ちょうどフラメンコのカスタネットの音のようでした。男も女も、大きな声で歌いながら夜の街を練り歩くのです。
この続きは、また、機会がありましたら、ご紹介しましょう。
ショック療法で、疲れは出ませんでした・・・