パリへ立つ朝、小さなお客様・・・ローラです。北フランスのリールから、パパのベンジャミンが一晩中車を走らせ、来てくれたのです。
生まれて十日目に、リールで会って以来ですから、四年ぶりです・・・美しく、ちょっと儚いような美少女になっていました。私の持っていった桑の実と苺のジャムを、美味しそうに舐めて朝ご飯・・・。
大人たちは、朝からシャンパンを開けて、お別れ・・・
子供たちには黙って、家を出ました。
まだ小さいローラが慣れるまで、イージーは物置に入れられています。
さよなら、ぶるたーにゅ・・・
ブレストの駅から、TGVで、パリ・モンパルナスへ向かいます。
少し早めに汽車に乗り込みました・・・イザベルも私も、涙を見られたくなくて、すぐにサングラスをかけました。「子供たちが待っているから、もう行って・・・」イザベルは素直に汽車の発つ前にホームから立ち去りました・・・「アビアントゥ!イザベル・・・」
モンパルナス駅から、エッフェル塔が見えました・・・40年近く前、この近くに住んでいた時には、気がつきませんでした。
二男のベンジャミンもローラも、この家を見るのは初めてです。残念ながら、若いパパとママは別れたのです。事情があって、ベンジャミンもイザベルも長い間、ローラには会えませんでした・・・さして、この夏、ローラは、初めて、イザベルおばあちゃんと、三週間の夏休みをブルターニュで過ごすのです。
パパの滞在は2日・・・三週間後に迎えに来ます。初めての一人旅、初めてのお泊まり・・・イザベルとローラの夏休みが、楽しい日々でありますように・・・。
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