代官山は基本的に住宅街ですから、ちょっと脇道に入れば、散歩するのには絶好な場所がたくさんあります。何をした人かは判りませんが、朝倉邸という立派な屋敷があったり・・・60歳以上は無料・・・ということで、自分の庭のようです。恵比寿の部屋にはテレビがないことも幸いして、本を読んで、散歩をして・・・友達が訪ねてくれたり・・・寒いので、夜は人と会わず、酒も飲まず・・・実にいい時を過ごしました。
昨年に続き今年も、大切な友人が亡くなりました・・・この数年のうちに逝ってしまった人たちの中に、特に忘れられないひと回りほど年下の男友達がいます。彼の不在は、時に地団太を踏みたいくらいの・・・悲しさで・・・
彼が会うたびに口にしていた「これ、典子に見せたいなぁ・・・」「あぁ、これ、典子が好きだろうなぁ、食べさせたいなぁ・・・」なにを見ても食べても、そんなふうに話題に上っていた夫人の典子さんとは、いま、親しくさせていただいて・・・代官山のオーガニックレストランで、ランチを食べました。スパイスの良く効いたカレーは優しい味でした。
ご主人が亡くなったあと、外資の化粧品会社の広報という華やかな仕事を辞め、マクロビオティックの勉強を始め、現在、夜は和菓子学校に通い、昼は上野の和菓子屋さんで働いています。将来は、オーガニックの和菓子の店を開くという夢があり・・・
悲しみを抱えながらも、心身ともに健康な彼女に・・・感動したね、ホント・・・
典子さんのブログです。
味噌餡だそうですが・・・なんとも優しい味・・・優しい色・・・試作に励んでいるようで、楽しみなことです。
彼・・・黒岩洋氏は、NHKのプロジューサー、現場が好きで、優れたドキュメンタリーを残しました。最後の作品は「わらう」・・・病の中、病院で同室の患者仲間との交流を見つめた、彼らしい強さと優しさに溢れた作品でした。
彼とは、海外で出会ったので、日本ではあまり会えませんでした。有楽町の屋台に連れて行ってくれる約束は果たされないまま・・・様子のいい男でした
いろいろ考えることの多い・・・それなりに充実した、一週間の東京でした。
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