オランダ人ドリーンの飼い犬、チボーです。絵を描いてみたら、まつげの色が右と左では違っていて、戸惑いました。絵の具もなくて、どう描いたのか覚えていません。多分、にかわの薄めたものを和紙に薄く引き、顔彩に同じくにかわでも混ぜたのかもしれません。
本の販促のために、九條今日子さんの一言で決まった、ポスター・ハリスでの展覧会・・・会場が広かったので、南ポルトガルの野の花の絵だけでは足りず、犬の写真や蚤の市で集めたガラクタなども並べました。
ずいぶん買っていただいて(これも身の縮む思い)残ったものは、そのままになっていました。ギャラリーが立ち退きにあい、保管していただいたものが戻ってきました。右の花の絵は九條さんが気に入ってくださり、差し上げようと思っていたものですが・・・叶いませんでした。形見になりました。
こんな大それたことを、よくやったものだと、今になって思えば震えがくるほどです。
蚤の市で見つけたお気に入り・・・売れると困るので、法外な値を付けました。
嬉々として飾りましたが・・・今となったら、ずいぶんと汚い・・・そう思うのは、目が日本仕様になったものでしようか・・・
一生に一度の大胆な出来事も、九條さんのおかげです。いい経験になりました。九條さんとのいろんな思い出が蘇り・・・改めて淋しい、と思いました。この思い出から7年、彼女がいなくなって三年が経ちました。