パーティーの理由はなんでもアリです・・・月曜日はバナナパーティー。テラスにバナナがなったので、それを食べようというのです。
わぁ〜懐かしい・・・このパテオを訪れるのは十年ぶりくらいです。昔は外国人同士が集まり楽しく過ごしましたが、人が増え、そのうち、ドイツ人、イギリス人、フランス人と、同じ国の人がグループを作るようになり、私たちはフランス人グループに入ったため、疎遠になりました。
クレープの道具が用意され、自分で好きなように焼いて食べるのです。
パテオは、藤のツルで覆われていました。花が咲くと"藤の花見パーティー"が開かれるようです。かつて、私のパテオから運んだものが大きく育っていました。ナダは緑の手を持っているのです。
ナダは元ダンサーで、日本の舞踏を習うために大野一雄の元で四ヶ月ほど勉強したことがあります。絵も描くし、ブリキのオブジェも作る・・・才能があるのです。
五時に始まるパーティーに勘違いして7時に行き、呆れられました。このパンチがおいしかったけれど、舐めただけ・・・あまり甘くないフルーツ類とハーブ・・・ミントが大量に入っていました。
遅く来た人たちのために、ピクルス入りのポテトサラダと、ドイツのハーブ入りソーセージが出ました。
スタジオでは、タンゴを踊るカップルが・・・ポルトガル人のパウロと新しい恋人、パリから来たなんとかいう人・・・名前を忘れました。
みすぼらしかった屋上からの眺めも、新しいお店が出来てきれいになっています。手前の木は藤です。これも枯れかけていましたが、復活していました。
ナダは私と同い年・・・いろいろと物語のある女ですが、今は若いときの恋人の彫刻家と穏やかに暮らしています。朝早く船で島に渡り、一時間ほどかけて隣の島まで歩き、昼前には戻って、あとは静かに過ごしているようです。夜は早く寝るので、パーティーの始まりが五時だったのです。
彼女の上にも穏やかなときが流れているようで、よかった・・・再会をとても喜んでくれました。
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