アントニアはどうしているかしら・・・と、戸口に本人が座っていました。「まぁ、帰って来たの ? キスしてあげよう・・・キスしてちょうだい」と、泣き出しました。ここに来た頃、毎日のように昼ご飯に呼んでくれました。私が痩せていたので、食べるものがないのかと勘違いしていたようです。
いつもイザベルとつるんでいたフランス人、ベネディクトとばったり会いました・・・誰にも知らせず、ばったり会うのが理想でした。なんだか元気がありませんでした・・・。
フランス人、エリックがいた頃、よくパーティーであった人・・・奥さんはコロンビア人ですごく素敵です。リッジバックを飼っていて・・・ビビリのリッジバックでした。
このおじいさんは、山奥に住んでいて、時々自転車で町におりてきて、売春宿を覗いていたものです。自転車にはたくさんの可愛らしい人形をぶら下げていて・・・足が悪くなったようで杖をついています。帽子は二つかぶっていたけれど、靴下は片方しかはいていませんでした。
この人・・・傾いたおじさんの姿はどこにもありませんでした。道端でものを売るのは違反ですから、排除されたのかもしれません・・・残念。
そして・・・犬。このようにそこかしこにいた犬がいなくなっていました。高価そうな犬をリードをつけて歩いています。寂しいなぁ・・・。
島から泳いで渡ってきたロネは生きているでしょうか・・・
これがロネとシエナ夫婦との出会いでした。車が来るとホンホンと吠えて、用を足している奥さんを守っていました。
イザベル・・・この人の不在は実に残念でした。
そして、バレリー・・・娘は父親に会いに時々、漁師町には帰っているようです。 そして、この人もいませんでした・・・
この街が面白かったのは、この人、イギリス人のピアーズの功績が大きいのです。外国人観光客が増えたことに嫌気がさして、今はブタペストで絵を描いているそうです。10数軒持っている家は放ったらかしです。
一見、何も変わらないように見えても・・・漁師町は、すっかり変わったのですね。
「ポルトガル物語 漁師町の春夏秋冬」 14日より発売されています。