71年の人生で、食欲がないという体験は、初めてです。一方、夫は、精神的なことも含めて、暑さ寒さに反応して、すぐに食欲がなくなるタチですが、私はどんなに暑い夏でも、食欲だけはあったのでした。
老人は、食べられなくなると、すぐに体力が落ちるということを知りました。
秋バテ・・・という言葉があると聞き、庭仕事を減らし、早めにベットに入り・・・本を読む時間ができました。おかげで、いい本に出会いました。
寺山修司の作った劇団「天井桟敷」にいた頃、私は、どうも彼とウマが合わず・・・結局、1年で追い出された ? のでした。劇団が結成される以前からの付き合いでしたから、二年間・・・その間、ついに打ち解けることなく、寺山修司のことがなにひとつわからないまま、50年近くの時がたったのでした。当時からよく存じ上げていた小川太郎氏のこの一冊の中には、寺山修司の才能と人となりに愛情を持ちつつ、丹念な取材を通して、時には容赦なく、ありのままの寺山修司スケッチすることで、著者もこの若き作家の謎を解き明かしたかったのでしょう。自分の才能を信じていた若き作家の野心・・・ひとりの人間像が、私の中でようやく立ち上がったような気がします。小川氏に会いたいな・・・と、思ったら・・・この本を書き上げてからしばらくして、彼は自死したそうで・・・一方で、この本から、小川太郎という人物のシルエットも垣間みたのでした。
時々、飲む相手をしてくれる、ポルターハリスのまち子ちゃんから、こんな映画のお知らせが・・・古い映画だと思ったら、今のものです。へぇ〜、青春のテーマが見つからない時代なのだろうと、ちょっとびっくりしました。立ち退きにあっていたポスターハリスは、新しい場所が決まったそうで・・・これまた、変わらないものはなにひとつない・・・と、思いつつ、新しいスタートを楽しみに待つことにします。
家の本は読み尽くし・・・この頃は、新聞しか読むものがありません。Paris のY二郎から、薦められていた本を思いだしました。胸にズシンと、来る・・・ということで。この頃は、本屋で本をみつけることが困難です。ついにアマゾンに・・・以前、注文したときに、梱包の過剰さに驚いて、止めてしまいましたが・・・こんな山奥ではいたしかたなし・・・この他に、二年も探していた、佐伯泰英「惜櫟荘だより」も注文しました。
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