道を歩いていると、よく顔見知りの犬に声をかけられます。とはいえ、吠えるわけではなく立ち止まり振り返って尾を振るのです。しかし、夏が来ると毛を刈られ人相ならぬ"犬相"がすっかり変わり、誰だかわかりません。「誰?・・・アータ、誰?」と聞いても、ただ尾を振るばかりです。
しばらく通らなかった路地で、「アタシ、アタシ・・・」と近づいてきた犬がいます。悩み事でもあったのでしょうか。すっかり老け込んでいました。アッピという世話焼きの婆さん犬です。
珍しく、猫に呼び止められました。これはニャーニャーと鳴きました。誘うようにさかんに上を見上げるのです。
そこにはたくさんのツバメの巣がありました。