引き出しの整理をしていたら、懐かしいものを見つけました。キモノドール・ジャパン・・・と書かれた、このちょっと不思議なカードは、60数年も前、イラストレーターであったイブリンが、ニューヨークで描いたものです。確か、89歳の誕生祝いのお礼であったと思いますが「ありがとう」と書かれています。彼女の手元に残った最後の一枚でした。
60歳でニューヨークからたった一人でやってきた彼女は、その後、36年間をポルトガルのこの小さな町で過ごしました。
草花を育てるのが上手で、美しいベランダと、素晴らしいパテオがありました。
毎朝、このベランダで花に水をやっていたイブリンは、もういません。花もなく、家もすっかり傷んでいます。寂しいので、この通りは足早に過ぎるようになりました。
大好きだったイブリンの物語は「南ポルトガルの笑う犬・アルファローバの木の下で」に綴りました。(あ・・・大宣伝)