日本から戻って最初に作ったのが、ママレード。
セピージャの人でさえ知らない、幻のオレンジ、セビリアーノです。ママレード好きのイギリスでは貴重品で、五月ころに市場にほんの少しだけ並ぶそうです。そう・・・イギリス人が地中海沿岸で発見・・・しかし、このおいしさを彼らは独り占めしようと、内緒にしているらしい・・・節が・・・。
とにかく見栄えがよくありません・・・これは、知り合いが散歩の途中で打ち捨てられた畑で見つけたセビリアーノ。この時期になるとリュックをしょって犬の散歩に出るらしいです。イギリス人が多い居住区にありますが、彼らには内緒です。
普通のオレンジと、どれくらい違うかというと・・・大きさも中身もかなり違うのです。絞ってジュースになんてとんでもない。酸っぱくて飲めません。種が多く、手がかかります。
ところが・・・これをママレードにしたら、もう、何と表現したらいいのでしょう・・・味が濃厚で、香りが強く、適度に苦味があって・・・こんなにおいしいママレードは世界中どこを探してもないでしょう。左は正統派のイギリス式・・・ちょっと我が家には甘すぎ。右は我が家のですが、目分量の砂糖少なめで、酸っぱすぎました。
二つを合わせて見たら・・・パーフェクトでした。見よ・・・この黄金色に輝く幻のジャムを!
ママレードの作り方は、ものすごくたくさんのレシピがありますが、私は単純にジュースに絞って三温糖とはちみつで煮詰め、薄くむいた皮は三度ほど湯でこぼし、細かく刻んで煮詰まる前に入れます。毎週作るので保存のことはあまり考えず、お砂糖は普通の三分の一以下です。
この辺り限定の贅沢といえます。