前日の夜まで迷っていましたが、思い切って出かけました。
人間、体調が悪いと不機嫌になり、そのような人が間近にいれば、その不機嫌の棘は心のあちこちに刺さってちくちくと痛んでいました・・・脱出です。
しかし、その朝、ひと悶着ありました。汽車の中で食べようと、夜遅くまでかかって作ったお弁当を、朝起きてみたら、夫が食べてしまっていた・・・なんという災難・・・悪いことは続くものです。残ったみじめなお弁当を持ち、田舎の駅を出発しました。
8時30発、ファロ行きの列車は、通勤客やバックパッカーの若者で満員。リスボン行きの列車は、ファロから出ているのです。
しかし・・・リスボン行は・・・不景気の気配が、こんなところにも忍び寄り、不気味でさえあります。
ポルトガルでの汽車の旅の楽しみは、なんといっても車窓からの眺め・・・しかし・・・霧がかかっているわけではありません。汚れているのです。なにも見えません・・・ポルトガルの観光資源は、リゾートホテルではなく、美しい自然であることにお役人は気がついていないようです。開発より、窓ふきでしょう!!
次回からは、自分の席を確かめてから、窓ふきをする決心をしました。
旅の目的はこれ・・・裏千家のお茶です。150人の席にたくさんの希望者があり、入れなかった方もあったようです。16代千宗室氏の解説の元、お点前は娘さん、主客は奥様で拝見しました。
すべての客にお菓子とお薄が配られました。
ドレスの上にうちかけ風のコートを羽織っているのは、ポルトガル切っての日本通、イングリットさんです。確か、ご主人がフランス大使?で、日本に長くお住まいで、お茶はもちろん、お花、墨絵などもお上手です。向こう側は、主客を務められた奥様です。
やはり・・・美しいの一言です。
お気に入りの、カサ・デ・アレンテージョで、ひとりお茶を飲みました。
そして・・・やっぱり、コレ・・・日本人の女友達とおしゃべりしながら、冷たい日本酒をいただきました。つまみは、枝豆とタコ焼き・・・焼きうどん、おにぎり・・・外国ならではの不思議な取り合わせでした。
翌日は、私のお茶の師匠、よしえ先生のところで、初めて通し稽古をしていただきました。
これでようやく、心も体もポルトガルモードにスイッチが入ったようです。さぁ・・・ポルトガルの田舎暮らしを楽しみましょう。