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しばらく前から、ブログの画像が出なくなりました。 画像の部分には、小さな青い?マークが・・・ エキサイトのヘルプセンターは個別の質問には答えられないとのこと。 なにが起こったのか・・・分かりません。 このお知らせをクリックしてみましたが・・・分からん。 みなさまのブログに伺っても、画像が出ません。 訪問いただいたときに、私のブログは、画像が見えるのでしようか ? 今日にいたっては、投稿画面も画像が反映されなくなりました。 さて・・・どうしましょう。 写真がないので・・・お目汚しに、こんなものを載せることにしました。 本屋のレジなどにおいてある無料の小冊子 「ほんのひとさじ」に連載しているエッセイです。 「駅」をテーマに、いろんな人が書いています。 「パリ・モンパルナス駅」 青目海 その人を、私たちは尊敬を込めてゴーギャンさん、ムッシュウ・ゴーギャンと 呼んでいた。それが名前ではなく名字であるということは、だいぶあとになって 知ったことだ。 「ワタシハ、モンパルナスタワーノ、チカクニスンデイマス・・・」 語学学校の宿題を読み上げると居合わせた彼が、チッチッチッと、 激しく舌打ちをした。「ノー ! ギャール・モンバルナス、モンパルナス駅の近く、 といいなさい」と怖い顔で睨んだ。駅の建物を遮るようにそびえ立つ近代的なビル、 モンパルナスタワーを毛嫌いしていたからだ。タワーのすぐ脇の古いアパートの窓から、 下の広場を横切るゴーギャンさんの姿をよく見かけた。 彼はうつむいて決して顔を上げない。世にも醜い建物を見たくないからだ。 私は八階、ゴーギャンさんは六階に住んでいた。エレベーターはなかった。 彼は、セーヌ川の向こう側の古めかしいが立派な建物の中に 小さな古本屋を持っていたが、商売はさっぱりだった。 なにしろ店のドアにはいつも鍵をかけてあり、客が入ろうにも入れない。 気に入らない客が無遠慮に本を触ったり、蘊蓄をひけらかしたりしようものなら、 たちまち追い出されてしまう。たまに気が向くと奥から秘蔵品を引っぱり出し、 散々、見せびらかしたあげく、客が買いたいなどといえば「ノン」と冷たく言い放つのが 常であった。 もう一つ、ゴーギャンさんの嫌いなものが、アメリカであった。 その理由を聞くと、スペルを書いてよこした。辞書を引くと野卑・・・とあった。 ヤヒ・・・彼はなんども繰り返し、それ以来、ヤヒなアメリカ人が・・・ などというようになった。 しかし、アメリカのジーンズだけは好きだった。当時、パリでアメリカ製のジーンズを 手に入れるのは難しく、あったとしても高価だった。 どう工面したのか、ある日、ゴーギャンさんがジーンズを履いていた。 「丈夫だし、履きやすい。スマートだ。レストランには行けないけどね」と 上機嫌でいった。驚いたことにゴーギャンさんは、そのジーンズを洗濯屋に出した。 当然、デニムのパンツにはきれいにアイロンがかけられ、 センターにはくっきりと線が通っていた。 そのジーンズを履いたゴーギャンさんと「東京物語」を見に行った。 「なんて、上品な人々なんだ」と、彼は号泣した。 モンパルナスタワー、いや、モンパルナス駅の脇には、いまでもそのアパートはある。 古本屋のあった美しいコリドー街には、観光客用の宝石店が並んでいる。 あれから、四十年以上の時がたった。
by aomeumi
| 2018-07-12 10:22
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